この記事では Pencil+ マテリアルに関するよくある質問を紹介します。Maya の機能を把握しているとレンダリング品質を向上させることができます。
1 アンチエイリアスが弱く感じる
ゾーンやシャドウの境界などアンチエイリアシングが弱く感じることがあります。これはシェーディング部分のアンチエイリアシング設定が低いのが原因です。
Maya ソフトウェア レンダラはデフォルトの設定の場合では、アンチエイリアシングの精度が[低品質]に設定されているためシェーディング部分に対して細かな処理を行いません。
シェーディング部分に高品質なアンチエイリアシングを掛けたい場合は、レンダリング設定の[エッジのアンチエイリアシング]を変更し、[シェーディング]の値などを目的の品質に合わせて調整してください。
2 影が汚い
ライトのシャドウをデフォルト設定で使用している場合、オブジェクトとライトの位置関係によって影が不鮮明に見えたり、影がうまく形成されないように見えることがあります。
これは[深度マップ シャドウ]の[解像度]が原因です。
深度マップ シャドウの[解像度]を大きくして、ある程度シャドウの品質を改善できます。
複雑なシーンで深度マップ シャドウを使用すると、技術の特性によってシャドウの品質が低下するのを回避できない場合があります。
セル画調のような質感の場合は、[レイ トレース シャドウ]を使用すると高精度なシャドウをレンダリングできます。
3 レンダービューと保存した画像で色が変わる
レンダービューに表示される画像と、レンダリングして保存した画像の色が異なることがあります。
色が異なって見えるのは、 Maya ソフトウェアが[カラー管理]に対応していないのが原因です。レンダービューの[ビュー変換]を OFF にしてください。
レンダービューの[ビュー変換]を OFF にすると、レンダービューと保存した画像の色が一致します。また、ビューポートにも[カラー管理]の設定があります。ビューポートの[ビュー変換]を OFF にしてください。
Mayaはデフォルトで[カラー管理を有効化]が ON になっています。プリファレンスの[カラー管理を有効化]を OFF にすると、毎回[ビュー変換]を設定する必要がなくなります。
4 保存した画像にノイズが入る
Pencil+ マテリアルを使用してレンダリングした画像の色を Photoshop や After Effects で変更したい場合があります。このとき自動選択ツールの[許容値]を 0 のように設定して色を選択すると、単色ではなくわずかに異なった色が含まれていることに気がつきます。
これは Maya のレンダリング設定で[最終カラーのジッタ]が ON になっているのが原因です。
[レンダー設定]のレンダーオプション階層で[最終カラーのジッタ]を OFF にしてください。次の記事
次の記事では Pencil+ ラインの基本的な使い方について解説します。